株式会社セル・エイド

会社概要

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社長のメッセージ

①再生医療の始まり

1986年以来、私は細胞医療分野に関わって来ました。
そこで幸運であったことは、日本で最初の細胞治療に関われた事でした。最初は3年もの間、表皮細胞の培養は成功しませんでした。
ほぼ、諦めかけた時に重症熱傷患者さんが居るから、ヒトの皮膚から培養してみようと熊谷先生から提案されたことでした。
すると不思議な事にはマウスやラットの動物の皮膚では全く増殖しない表皮細胞が、ヒトの皮膚ではいとも簡単に増殖したのです。種差の恐ろしさを最も強く感じた時でした。

②薬造り

そこから、中外製薬の研究所に移りました。そこには、沢山の新規化合物がありました。
特に沢山のビタミンDの新規誘導体を合成していました。
どういう訳か、この化合物群を表皮細胞の培養系にかけて見ました。
すると、見事に増殖はストップするのです。単なる遊びと思っていたのですが、会社ですからそうは行きません。
すると、表皮細胞が異常増殖する疾患があることが分かりました。尋常性乾癬です。
しかも、その治療薬でやはりビタミンD誘導体が使われていました。しかし、学会に行くと1年も投与したが全く効果はないという講演がなされていました。
確かにこの化合物より、培養レベルでは自社のものが強い効き目を示しますが、それがホントに臨床で有効か自信がありませんでした。
しかも、自社の化合物は不安定でマイナス20℃の低温でも直ぐに分解してしまいます。
ところが、開発するというので、他の研究所で軟膏としたところ、溶液中とは異なり分解しなくなりました。
もう、開発するしかありません。しかし、臨床試験に入ると以外に有効という噂が聞こえてきました。
しかし、先行品に勝たねば認可されません。
ところが、中々相手の会社はPhase III試験に製品を提供してくれません。
しかし、いつまでも拒絶できないので、何年かして漸くPIIIに入りました。そして、Key Open(PIIIの結果を見る)の為にパレスホテルに行きました。
しかし、何時迄経っても、これを行う先生は現れません。
多分、駄目だったから来るのが嫌になったんだろうと疑心暗鬼で何時間か待ちました。
その先生が来てKey Openすると、その結果は自社製品が勝っているようなのですが、どうも府に落ちません。
そのP値(統計的有意差)がP<0.05であれば良いのですが、先生はP=0.0000と出したのです。アーア、コンピューターが壊れたのだろうと思いました。
コンピューターではP=0.0000より下は出さないそうです。嘘だろうと思いました、完全勝利でした。内容も見事に勝利していました。
実験レベルでもこんな値がでることはほぼありません。なんと凄いものを合成してくれたなと思いました。

③培養法の改良から生まれた脊髄損傷に有効な皮膚幹細胞

最後に、会社を退職してから、大学や種々のベンチャー企業を渡り歩きました。しかし、何時も私の頭の中から離れない事が1つありました。
最初に行ったヒト表皮細胞の培養法は米国のDr. Greenという偉大な先生が編み出したものでした。
この培養法は牛胎児血清とマウス由来の細胞を栄養細胞として使います。それ故にどうしても牛とマウスの成分が入りこみます。
私はどうしても栄養細胞と血清を用いない、完全無血清・無栄養細胞の培養法を完成させたかったのです。
その時、頭にあったのは皮膚には幹細胞があり、それを増やす方法ができないかと考えて実験を進めました。

すると私の考えた無血清・無栄養細胞を行える新規培地で見たことのない現象が出現したのです。まず、表皮細胞がシャーレ一面に増えます。
シャーレ底面に表皮細胞が一杯になったあとに、奇妙なことが起きました。
この上に表皮細胞とは全く形の異なる球状の細胞群が現れたのです。彼らは下の表皮細胞を栄養細胞として振舞っているようです。
もしや、この細胞群は皮膚幹細胞かもしれないと思い、幹細胞を認識する抗体で染めて見ました。見事に上の細胞群だけが染まり、表皮細胞は染まりませんでした。
ただ、この抗体は神経幹細胞を認識するものなので、この細胞が神経幹細胞であれば、種々の神経細胞になるはずです。
種々の誘導培地で実験を行うと確かに種々の神経細胞に分化しました。
その頃、最初に記した熊谷先生は教授になっており、培養表皮細胞は脊髄損傷モデルに有効であるとの論文を出していました。
そこで、熊谷先生に私のこの細胞が脊髄損傷モデルに有効か見てもらうことにしました。その結果見事に顕著な効果が出ました。
でも、この細胞が癌化するならば臨床応用はできません。そこで、日本で開発された世界で一番癌化しやすいマウスに投与しましたが大丈夫でした。
それで、脊髄損傷の患者さんに投与することになりました。ただし、最長は受傷後23年も経過した患者さんから始めました。ところが20年を経過した患者さんに少し治療効果が現れました。でも、7名中4人に効果が現れましたが、そんなに劇的な効果ではありませんでした。
そこで、この細胞に最も脊髄損傷に効果があると動物実験で言われている神経栄養因子であるGDNFを増加させる物質を探して培地に加えてみました。1つだけGDNFの発現を10倍にする因子がとうとう見つかりました。これを加えた細胞を、2年半下肢麻痺で歩行不能の状態の脊損患者さんに月2回投与しました。
すると、投与後1か月を経て杖を突いて歩けるまでに回復しました。
現在、脊髄損傷で認可されている再生医療は脊髄由来MSCのみですが、これは受傷後30日以内の急性期の治療に限定されています。
2年前に漸く日本の特許も取れましたので、これからは慢性期の治療に適応していきたいと考えていますので、共同開発を進めてくれる会社を探しています。

④再生医療技術のご紹介

再生医療分野で、未だ解決していない課題が多く残されています。その中で特に慢性期に入った脊髄損傷を治す方法はありませんでした。
また、膝変形性関節炎の根本治療も未解決です。
さらに、種々の癌疾患を治す一定の方法論も未解決です。それらを解決する方法を弊社では提案いたします。

会社情報

会社名 株式会社セル・エイド研究所
代表者名 取締役 仁科博道 仁科智善
所在地 〒812-0069
福岡県福岡市東区郷口町2-10-302
電話番号 070-1945-9158
受付時間 9:00~17:00
設立 2010年
従業員数 2名(2025年5月現在)
資本金 300万円
取引銀行 三井住友銀行
事業内容 ・細胞治療特許技術の販売
・医療指導

会社沿革

日本の細胞治療第1号:重症熱傷患者への培養表皮細胞を用いた治療(1986年) 
N Kumagai MD & H Nishina Ph.D (聖マリアンナ医科大学形成外科)
Asian Medical Journal 1986;29(4):245-248
Treatment of wide-area burn trauma by grafting of cultured epidermis
培養表皮細胞を用いた新規ビタミンD誘導体の増殖抑制効果の検討(中外製薬)
尋常性乾癬治療薬(オキサロール軟膏)の開発成功(2001年)
「システム生物医学入門」(羊土社2005年)児玉龍彦教授との共著
(東京大学先端科学技術センター・システム生物医学研究室)
新しい培養法による皮膚神経幹細胞の脊髄損傷への有効性検討
特許「脊髄損傷を治す皮膚幹細胞の無血清培養法」(2010年)
2025年現在、カナダ・オーストラリア・ロシアそして日本で特許成立
2010年株式会社セル・エイド研究所設立

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